屋根の防水には、アスファルト防水、シート防水が広く普及しています。近年は塗膜防水による改修も一般化しており、ウレタンゴム系の塗膜防水が知られています。しかし、ウレタンゴムは化学結合エネルギーが弱く、物性低下を起こしやすい性質があり、トップコートによる継続的で適切なメンテナンス(5~6年で塗り替え)の必要があります。
一方、同じ塗膜防水に分類される「アロンコートSQ」のアクリルゴム塗膜は、防水性能と高い耐候性、耐久性が特長で、10年以上防水性能は衰えないことが、現場から膜を切り出して行う実証実験によって確認され、更にウレタンゴムと同等以上の防水性能を有していることは、日本建築センターの技術審査証明の取得で明らかになっています。勾配屋根や金属ドームなどさまざまな屋根形状に適用でき、改修工事では、既存防水層を撤去しない「かぶせ工法」に適した特性があり、砂付露出アスファルト防水の改修に最適です。
加えて注目すべきは、下地修正材からトップコートまで溶剤を含まないオール水性の材料で仕様を組むことができ、施工時にVOCを放出せず地球環境に優しいことです。臭気や黒煙の発生がなく、施工時に騒音や振動もほとんど起こらないため、集合住宅の改修では住民に負担を強いることも少ない人にも優しい防水工法です。
「某体育館」の大規模改修工事では、産業廃棄物の削減が評価され、かぶせ工法で「アロンコートSQ」が採用されました。既設の砂付露出アスファルト防水を全面撤去することなく、不良箇所のみの修正で改修工事を完了しました。
「鋼板屋根では、折板屋根や瓦棒屋根が屋根荷重を低減することができる反面、常に腐食が発生しやすい状況に置かれており、しかも温度変化による伸縮が大きいため、薄く、硬い防錆塗料では割れやはがれが発生し、その部分から錆が拡がっていくことがあります。また、鋼板屋根は室内温度が高くなりやすく、防錆効果、防水効果があるアクリルゴム系防水材と日射反射率の高い仕上塗料を用いた「アロンQD防錆コート遮熱仕様」を施工することで、一般的な下地処理を含め約2Kg/㎡と構造への負担も掛けず、これら鋼板屋根の問題を解決できます。